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ワキガ手術後に再発する原因とは?再発しにくい手術の選び方と対処法を形成外科専門医が解説

[2026.06.04]

ワキガ(腋臭症)の手術を検討する際、「一度治療をしても、また臭いが戻ってしまうのではないか」という点は、多くの方が直面する懸念事項です。

インターネット上の体験談などで「再発した」という言葉を目にすることもありますが、医学的な視点では、成人のアポクリン腺が一度適切に除去された後に再生することは考えにくいとされています。

ワキガの臭いの原因となるアポクリン腺は、一度物理的に破壊、あるいは取り除いてしまえば、その組織が元の状態に復元される性質は持っていないというのが医学的には一般的な考え方です。

したがって、手術後に「再発」と感じる状況の多くは、医学的な再生ではなく、手術の過程で取りきれなかった汗腺が活動を続けている「残存」や、別の要因が関係していることが考えられます。

まずは、なぜ臭いが戻ったと感じるのかという根本的な理由を正しく理解し、どのようなアプローチがご自身の症状に適しているのかを検討することが大切です。

本記事では、形成外科専門医の知見に基づき、術後に再び臭いを感じる現象の背景にあるメカニズムを整理し、納得のいく治療選択を行うための判断基準を詳しく解説します。

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【結論】ワキガ手術後に汗腺が「再生」することはほぼない

成人のワキガ手術において、原因となるアポクリン腺が適切に除去・破壊された場合、その後に組織が再生して再び臭いが発生することは考えにくいとされています。

アポクリン腺は第二次性徴期にホルモンの影響を受けて発達しますが、一度成熟しきった成人の組織が元の状態に戻るという医学的な報告は一般的ではありません。

つまり、適切な手順で行われた手術において、臭いの原因となる汗腺が十分に処理されていれば、理論上は長期にわたって安定した状態が期待できると言えます。

ただし、例外として成長期にある方が手術を受けた場合には、注意が必要です。

アポクリン腺がまだ未発達な段階で治療を行うと、術後に残っていた汗腺の組織が身体の成長に伴って活発化し、結果として数年後に再び臭いを感じる可能性があります。

また、大人の場合であっても、いわゆる「再発」の正体は新しく腺が生えてきたわけではなく、手術の過程で処理しきれなかった汗腺が再び活動を始めたり、術後の皮膚の変化によってわずかな臭いに敏感になったりすることを指しているケースがほとんどです。

ワキガが再発したと感じる5つの主な原因

手術後に「再発した」と感じる現象には、医学的な背景に基づいたいくつかの要因が考えられます。

これらは術式自体の特性や手術を受けるタイミング、さらには個人の違いに起因することが多いです。

① 汗腺の取り残し(術式の限界)

頻度が高い要因の一つは、手術時にアポクリン腺が十分に処理されず、一部が皮膚の裏側に残ってしまうケースです。

マイクロウェーブ治療(ミラドライ等)や吸引法などは、皮膚を切開せずに、あるいは小さな穴からアプローチするため、皮膚の裏側を医師が直接目で確認することができません。

この「直接目視できない」という構造上の制約により、汗腺の分布が複雑な場合などに一部の汗腺が残存してしまう可能性があり、それが数ヶ月から数年後の臭いの変化へとつながることがあります。

②身体の成長(手術時期の問題)

第二次性徴が完了する前の思春期に手術を行う場合も、将来的な再発リスクを考慮する必要があります。

手術の時点では機能していなかった小さな汗腺の組織が、術後の身体的な成長に合わせて肥大・発達し、新たなアポクリン腺として活動を始めることがあるためです。

この現象は組織の「再生」ではなく、残っていた組織の「成長」によるものです。

安定した結果を求めるのであれば、一般的には身体の成長が落ち着いた段階で手術を検討することが推奨されます。

こちらの記事も併せてご覧ください。

ワキガはいつから始まる?年齢別の症状と効果的な治療法を解説

③ 手術範囲の不足

ワキガの原因となるアポクリン腺は、必ずしも脇毛が生えている範囲(有毛部)だけに限定されて分布しているわけではありません。

汗腺の広がりには個人差があり、有毛部の外側まで汗腺が分布しているケースも存在します。

標準的な範囲だけを画一的に処置した場合には、その周辺に残った汗腺から臭いが発生し続けてしまうため、注意が必要です。

患者様一人ひとりの汗腺の広がりを把握し、適切な範囲をカバーできる判断が求められます。

④ 緊張やストレスによる発汗や術後臭

医学的には手術が適切に行われ、臭いの原因が十分に処理されているにもかかわらず、「再発した」と感じてしまうケースもあります。

これは術後の経過に過度に敏感になることで生じる心理的な要因や、術後の仕上がりに対する期待とのギャップが関係していることが考えられます。

また、手術で脇の汗が抑えられた分、他の部位の発汗が気になったり、精神的な緊張による発汗を「ワキガの再発」と捉えてしまったりすることも少なくありません。

⑤ 脇以外のアポクリン腺(乳輪など)によるにおい

脇の汗腺はしっかりと処理されているにもかかわらず、体の上半身からワキガ特有の臭いが消えないと感じる場合、それは脇ではなく「他の部位」に存在するアポクリン腺が影響している可能性があります。

人間の身体において、アポクリン腺は脇の下だけでなく、乳輪の周囲(チチガ)や耳の穴、デリケートゾーン(すそわきが)などにも集中して分布しています。

脇の治療によって脇からの臭いが軽減された結果、それまで隠れていた乳輪周辺などからの独特な臭いを敏感に察知するようになり、これを「脇のワキガが再発した」と思い込んでしまうケースが少なくありません。

ご自身の臭いの発生源がどこにあるのかを客観的に見極めることが大切です。

【徹底比較】手術の種類別「再発リスク」の違い

ワキガ治療において再発(あるいは組織の残存による臭いの戻り)のリスクは、選択する術式の仕組みやアプローチ方法と密接に関係しています。

治療法には、医師が直接組織を確認しながら取り除く外科的な方法と、皮膚の上から、あるいは小さな穴から器具を挿入してアプローチする非切開・低侵襲な方法があり、それぞれアポクリン腺の処理能力や除去できる割合が異なります。

ご自身の症状の程度や予算に合わせて、各術式のリスクとメリットを客観的に比較することが大切です。

以下に、主要な術式別の再発リスク、汗腺除去率の目安、およびそれぞれの特性をまとめました。

術式・治療の名称 再発(残存)リスク 汗腺除去率の目安 理由と術式の特性
剪除法(保険適用) 低い傾向にある 約90% 皮膚を反転させ、医師がアポクリン腺を目視しながらハサミで一つずつ丁寧に切り取るため、高い除去率を維持しやすく、取り残しによる再発を抑えやすい特徴があります。
小切開法(掻爬・シェービング等) 低い〜中程度 約70% 特殊な回転刃や器具を用いて皮膚の裏側を削り取ります。剪除法に比べて傷口を小さく抑えられる利点がありますが、目視での確認ではないため一定のリスクが残ります。
マイクロウェーブ(ミラドライ等) 中〜高い傾向にある 約70%〜80% 熱エネルギーを皮膚の上から照射して汗腺を焼灼します。切らない利点がある反面、1回の照射ですべての汗腺を満遍なく均一に処理しきれないケースがあり、臭いが残る場合があります。
ビューホット(高周波) 中〜高い傾向にある 約60%〜70% 細い針を刺して高周波(RF)の熱を照射し、汗腺を凝固させます。傷跡が残らず長期的な効果が期待できる治療法として選択されますが、重度のワキガでは効果が不十分になることがあります。
超音波吸引法 高い傾向にある 約50%以下 カニューレ(細い管)を挿入し、超音波の振動で汗腺を破壊して吸引します。皮膚への負担は少ないですが、組織の付着が強い部位では十分に除去できない性質があります。

このように、直接組織の状態を目で見て確認できる剪除法は、他の術式と比較して汗腺除去率が高く、再発リスクを低く抑えやすいという特徴があります。

一方で、自由診療の範囲で行われる非切開や小切開の術式は、身体への負担やダウンタイムを軽減できるという優れたメリットがある反面、重度の症状においては一回の処置で十分な除去率を得るのが難しいケースも考えられます。

ご自身のワキガの重症度に合わせて、再発リスクの許容度と術式のバランスを医師と相談することが重要です。

こちらの記事でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

ワキガ治療は保険適用できる?条件・費用・手術の流れを徹底解説

再発を防ぐための「失敗しないクリニック」の選び方

再発や残存のリスクを抑えるためには、価格や手軽さといった表面的な情報だけでなく、医学的な根拠に基づいた説明を行うクリニックを選ぶことが重要です。

特に、術後の結果に対してどのような責任を持つか、執刀医がどのような経歴を持っているかという点は、治療の質を判断する指標となります。

納得のいく治療を受けるために確認すべきポイントを解説します。

「直接目視による処置」を重視しているか

カウンセリングの際に、その術式が「医師の目で直接汗腺を確認して取り除くものか」を確認することは、再発を防ぐための重要なステップです。

目視を伴わない「ブラインド処置(吸引法や熱照射など)」の場合、汗腺をどれだけ処理できたかを術中に100%確認することは構造上困難です。

重度のワキガで、一度の治療で可能な限り再発リスクを抑えたいのであれば、剪除法のように目視を基本とする術式に精通したクリニックを検討することが推奨されます。

形成外科専門医による執刀が行われているか

脇の構造は複雑であり、アポクリン腺の分布も個人差が大きいため、解剖学的な知識に基づいたアプローチが求められます。

日本形成外科学会が認定する「形成外科専門医」は、組織の扱いに関する専門的な知識を持っており、皮膚に負担をかけすぎず、かつ適切な範囲の汗腺を処理するための技術を有しています。

専門医であれば、合併症のリスクにも配慮しながら、良好な結果を目指すことが期待できるでしょう。

再発に対する保証制度や見解が明確か

どれほど熟練した医師が手術を行っても、医学においてリスクをゼロにすることはできません。

そのため、万が一効果が不十分であった場合や、再発が疑われる際にどのような対応(再診や追加の処置など)を行っているかを事前に確認しておくことが大切です。

保証制度が明文化されていたり、再手術に対する医師の見解が正直に示されていたりするクリニックは、患者様の悩みに対して誠実に向き合っている一つの証拠と言えます。

ワキガ治療の実績件数が豊富か

ワキガ手術、特に剪除法や各種切開法は、医師の経験値によって汗腺の除去率や術後の傷跡の美しさに大きな差が出やすい性質を持っています。

これまでにどれだけの症例数を重ねてきたかという「実績件数」は、そのクリニックや医師が脇の多様な解剖学的パターンに対応してきた証拠です。

公式サイトなどで具体的な治療実績件数を開示しており、多くの患者様から選ばれている実績のある医療機関を選ぶことが、再発トラブルを未然に防ぐことにつながります。

複数の治療選択肢を揃えているか

特定の治療法(例えばミラドライのみ、あるいはボトックス注射のみなど)しか扱っていないクリニックの場合、患者様個人のワキガの重症度や体質に関わらず、その唯一のメニューを勧められてしまう傾向があります。

ワキガの程度が重い方には外科手術が適しており、軽度の方や多汗症がメインの方には切らない治療が適しているように、本来は選択肢が分かれるのです。

保険診療の剪除法から自由診療の最新機器まで、複数の治療法をフラットに提供しているクリニックであれば、個人の状態に合わせた客観的で偏りのない提案が期待できます。

もし「再発」してしまったら?再手術(修正手術)の注意点

手術後に再び臭いが気になり始めた場合、すぐに再手術を検討される方も少なくありませんが、まずは現状の正確な把握と、身体への負担を考慮した判断が求められます。

一度手術を行った部位は、組織の状態が変化しているため、初回の治療とは異なる配慮が必要になるからです。

再手術を検討するにあたって、知っておくべき技術的な背景と、手術以外のアプローチについて整理します。

まず試すべきリスクの低い非手術アプローチ

ワキガの再発が疑われる際、直ちに皮膚を切開する再手術を選択する前に、まずはリスクが低くダウンタイムのほとんどない「非手術治療(切らないアプローチ)」で臭いや汗の量をコントロールできるか試してみることが推奨されます。

前回の治療によってある程度の汗腺はすでに減っている可能性が高いため、残ったわずかな汗腺に対しては、以下のような保存的な処置を行うだけで十分に満足のいく状態へ整えられるケースが多々あります。

以下に、再手術の前に検討すべき代表的な3つの非手術アプローチをまとめました。

非手術アプローチの名称 治療の特徴と再発時のメリット
ボトックス注射 注射によって一時的に発汗の指令をブロックする方法です。汗の量が減ることで、皮膚表面の常在菌によるアポクリン腺由来の成分の分解が抑えられ、臭いを感じにくくする効果が期待できます。手術のような癒着のリスクがなく、即座に日常生活に戻れる利点があります。
マイクロウェーブ(ミラドライ) 皮膚の上から電磁波の熱を照射し、残存している汗腺をターゲットに熱破壊する治療法です。前回の手術で傷跡や癒着がある場合は照射出力の調整など専門医による慎重な判断を要しますが、皮膚を切らずに長期的な効果を目指せるステップとして有効です。
ビューホット(高周波治療) 細い針から高周波の熱を伝え、汗腺を凝固させる術式です。皮膚表面へのダメージを抑えながら内部の組織に作用させることができるため、前回の治療から期間が空いており、メスを入れずに持続的な臭いの軽減を図りたい場合の有力な選択肢となります。

こうした切らない治療法を組み合わせることで、身体への余計な負担を避けながら、日常生活に支障を来すことなく気になる臭いを抑えていくことが可能です。

再手術(修正手術)の難易度とリスク

再手術において考慮すべき最大のポイントは、前回の処置によって組織の内部に「癒着(ゆちゃく)」が生じている点です。

癒着とは、手術の傷が治る過程で組織同士が硬くくっついてしまう現象を指します。

この状態の組織から、わずかに残った汗腺を探し出して除去するには、初回の処置以上に慎重な剥離技術が求められます。

無理に組織を剥がそうとすると、皮膚への血流が悪くなり、皮膚壊死などの合併症を引き起こす懸念があるため、経験豊かな医師による判断が重要です。

再手術を検討するタイミング

再手術を検討する場合、前回の処置から十分な期間を空けることが一般的です。

通常、手術によってダメージを受けた組織が落ち着き、柔らかさを取り戻すまでには、半年から1年程度の期間を要します。

組織が硬い状態で無理に再手術を行うと、出血のリスクが高まったり、残っている汗腺を正確に特定することが難しくなったりするため、焦らずに組織の回復を待つことが望ましいとされています。

失敗を繰り返さないための再手術クリニック選びの基準

前回の治療で満足のいく結果が得られず、すでに組織に癒着が生じているデリケートな状態だからこそ、2回目の医療機関選びは初回以上に慎重に行う必要があります。

安易に手軽さや価格だけで選んでしまうと、同様の失敗や深刻な傷跡のトラブルを繰り返すリスクにつながるため、以下の3つの基準を満たしているか客観的に見極めることが大切です。

再手術を依頼するクリニック選びの具体的なチェックポイントを以下にまとめました。

クリニック選びの基準 確認すべき具体的な内容と理由
① 再手術(他院修正)の実績件数 過去に他院で受けた手術の修正をどれだけ手掛けてきたかという「修正実績の豊富さ」を確認します。癒着した組織を安全に剥がす作業は特殊な外科経験を要するため、公式サイト等で明確に他院修正の受け入れ実績を公表している医療機関を選ぶのが賢明です。
② 最初の相談から一貫した医師の担当 カウンセリングでの状態チェックから手術、術後管理まで、すべて同一の熟練医が担当する体制であるかを確認します。途中で医師が変わる分業制の環境では、癒着の度合いや前回の術式の詳細といった微妙なニュアンスが伝わらず、処置の精度に影響を及ぼすおそれがあります。
③ 術前相談・診察の丁寧さ カウンセリングの際に、現在の臭いの原因が本当に脇の残存汗腺によるものかを正しく見極め、リスクや限界を含めて正直に説明してくれるかを確認します。一方的に高額な再手術を急がせるのではなく、事前の対話を重んじる相談体制があるかどうかが誠実さの指標となります。

このように、傷跡や癒着のリスクを伴う再手術だからこそ、「難易度の高い他院修正に深く精通しているか」「患者様の不安に対して一貫して向き合う受診体制があるか」を事前に確認することが、悩みを根本から解消するための防衛策となります。

池袋で「再発させないワキガ治療」なら当院へ

「過去の手術で満足できなかった」「一度の治療で症状の改善を目指したい」と考えている方に対し、当院では医学的根拠に基づいた誠実な医療を提供しています。

ワキガ治療において再発の不安をゼロにすることは難しいからこそ、私たちは事前の診断から術後のフォローまで、一切の妥協を排した体制を整えています。

池袋駅東口から徒歩1分の立地を活かし、お忙しい方でも専門的な知見に触れられる環境をご用意しています。

池袋でワキガ治療を考えている方は、こちらも併せてご覧ください。

池袋でワキガ治療を考えている方へ!形成外科・美容外科クリニック池袋のおすすめポイント

形成外科専門医として追求する「目視による除去」

当院での手術はすべて、日本形成外科学会認定の専門医である院長(春日)が担当いたします。

再発(残存)のリスクを抑えるためには、皮膚を反転させて医師が直接アポクリン腺の状態を確認する「剪除法」が有効な手段となります。

解剖学的な知識に基づき、組織を傷めないよう配慮しながら、適切な範囲の汗腺を丁寧に処理することで、長期的な改善を目指します。

保険診療であっても、自由診療と同等の配慮を持って一症例ずつ向き合うことが、当院が大切にしている方針です。

他院修正・セカンドオピニオンへの積極的な対応

「他院で手術を受けたが臭いが消えない」といった、他院修正のご相談にも対応しています。

一度手術を受けた部位の再手術は、内部の癒着があるため難易度が高くなりますが、専門医として現在の汗腺の残り具合を診断し、無理のない範囲で最適な改善策をご提案いたします。

術式のメリットだけでなく、限界やリスクも隠さずお話しし、患者様が納得された上で治療を開始することを徹底しています。

また、万が一効果が不十分であった場合の再診や対応についても、カウンセリング時に誠実にお答えいたします。

ワキガの再発に関するよくある質問(FAQ)

ワキガ手術後の経過や再治療に関して、患者様から寄せられることの多い疑問についてお答えします。

具体的な不安を解消することは、ご自身にとって適切な治療を選択するための一助となります。

保険診療で受けた手術が再発した場合、再手術も保険は使えますか?

初回の手術と同様に、医師が診察の結果「腋臭症」と診断し、医学的に治療が必要であると判断した場合には、保険診療の対象となります。

ただし、前回の処置からの期間や組織の状態によって判断が分かれることもあるため、事前の詳細な診察が重要です。

再発した場合、どのくらいの期間を空ければ再手術が可能ですか?

一般的に、前回の処置から半年から1年程度の期間を空けることが推奨されます。

手術を受けた部位の組織が安定し、十分に柔らかさを取り戻すのを待つことで、再手術の際のリスクを抑え、より適切な処置を行うことが可能になります。

再発率は術式によって具体的にどの程度変わるのでしょうか?

術式の仕組みによって異なります。 剪除法(切開法)のように医師が直接汗腺を目視して取り除く方法は、再発のリスクを低く抑えやすいとされています。

一方で、非切開治療や吸引法などは組織を直接確認できないため、剪除法と比較すると汗腺の残存によるリスクが残る傾向にあります。

再発した場合、形成外科と美容外科はどちらに行けばよいですか?

再発時の状態や希望する治療アプローチによって適した選択肢が分かれます。

傷跡を綺麗に治したい、あるいは保険適用での確実な再手術(剪除法)を望む場合は、解剖学や皮膚組織の扱いを習得している形成外科専門医の受診が合理的です。

一方で、切らない最新の照射治療や、独自の自費治療メニューによる柔軟な対応での解決を優先したい場合は、美容外科という選択肢も視野に入ります。

反転剪除法(山本式等)と削る手術(シェービング法)、どちらが再発しにくいですか?

医師が直接目で見て汗腺を切り取る反転剪除法のほうが、一般的に取り残しによる再発のリスクは低い傾向にあります。

シェービング法は小さな穴から器具を挿入して皮膚の裏側を削り取るため、傷跡が小さく済む優れた利点がある反面、目視での確認ができないため汗腺の取り残しが生じる可能性が残ります。

重度のワキガで再発を避けたいのであれば、目視を基本とする術式が推奨されます。

子どもの場合は、成長による再発の可能性はありますか?

第二次性徴が終わる前の10代前半などに手術を行った場合、成長に伴って再発を感じる可能性はあります。

これは一度取り除いた汗腺が再生したわけではなく、手術の段階ではまだ未発達で機能していなかった小さな汗腺組織が、成長によるホルモンバランスの変化に伴って肥大化し、活動を始めるためです。

そのため、一般的には身体の成長が落ち着いた段階での手術が推奨されます。

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子どもがワキガかもしれない…発症時期・原因・受診の目安を解説

手術後に再発(再発感)を抑えるための日常生活の注意点

手術や照射治療によって脇の下の汗腺を適切に処理した後も、日々の生活習慣を整えることで、万が一残存したわずかな汗腺による影響を抑え、術後の良好な状態を長く保つことが期待できます。

ワキガの独特な臭いは、アポクリン腺から出る汗そのものが原因ではなく、皮膚表面に存在する常在菌が汗に含まれる脂質やアミノ酸を分解することによって生じるため、脇を清潔に保つ工夫と、汗腺を刺激しにくいライフスタイルを心がけることが大切です。

以下に、術後の良好な状態を維持するために実践すべき3つの具体的なセルフケア方法をまとめました。

脇の清潔維持と具体的な洗浄・ケア方法

まず意識したいのが、脇を常に清潔に保ち、雑菌が繁殖しやすい「蒸れ」の環境を防ぐことです。

日々の入浴時には、洗浄力の強すぎる石鹸でゴシゴシと力任せに擦るのではなく、弱酸性や殺菌効果のある薬用石鹸(イソプロピルメチルフェノール等の成分配合)をしっかりと泡立て、指の腹で泡を転がすように優しく丁寧に洗うことが、皮膚のバリア機能を守りつつ常在菌を抑えることにつながります。

また、日中汗をかいた際には、乾いたハンカチではなく市販の除菌・消臭成分を含んだウェットシートでこまめに拭き取ることで、雑菌の増殖を未然に防げます。

衣服の素材も重要であり、ナイロンやポリエステルといった化学繊維は湿気がこもりやすいため、通気性と吸水性に優れた綿(コットン)や麻、シルクなどの天然素材の肌着を着用することが蒸れの解消に寄与します。

食生活の改善と避けるべき食品の具体例

日々の食生活において、動物性脂質や高カロリーな食事を控えることは、アポクリン腺の活動を過度に活性化させないために非常に有効なアプローチです。

脂質の多い食事は、アポクリン腺から分泌される汗の原料となり、臭いを強くする一因となることが医学的に示唆されています。

以下の表を参考に、毎日のメニューを客観的に見直してみることが、体臭の抑制に結びつきます。

控えるべき高脂質・刺激物(具体例) 積極的に摂取したい食品(具体例)
牛肉や豚肉の脂身、バター、ラード、生クリーム、スナック菓子、ラーメン、揚げ物(唐揚げ・とんかつ等) 豆腐や納豆などの大豆製品、魚類(青魚など)、オリーブオイル、ひじきやワカメなどの海藻類
カレー粉、チリペッパーなどの過度な辛み成分、アルコール、多量のカフェイン 緑黄色野菜(かぼちゃ・ほうれん草等)、ブロッコリー、アボカド(ビタミンC・Eが豊富なもの)

特に肉中心の食生活が続くと、皮脂腺からの分泌も増えて脇の下のニオイが変化しやすくなるため、抗酸化作用の高いビタミン類を含む野菜や、腸内環境を整える発酵食品をバランスよく取り入れることが推奨されます。

適切な体重管理と全身の健康維持

適切な体重を維持することも、脇の下の環境を健康に保つ上で見落とせない要素です。

肥満傾向にあると、脇を閉じたときに皮膚同士が余計に重なり合い、熱や湿気が内部にこもりやすくなります。

この「皮膚の密着と多湿」の環境は、臭いを生み出す常在菌にとって格好の増殖環境となってしまうため、注意が必要です。

また、急激な体重増加は皮脂の分泌量を増やし、結果として残存しているわずかな汗腺からの作用を強めてしまうことがあります。

過度な食事制限によるダイエットは逆にストレスを乱し、ストレス性の発汗(精神性発汗)を招いて臭いの原因となることがあるため、ウォーキングなどの軽めの有酸素運動を日常生活に取り入れ、規則正しい睡眠をとることで、全身の代謝と自律神経を安定させることが脇の状態を良好に保つ一番の近道となります。

まとめ

ワキガ手術後の「再発」の多くは、汗腺が再生したわけではなく、手術の際に取りきれなかった組織が活動を続けている「残存」が主な要因です。

そのため、将来的な再発の不安を軽減するためには、最初から医師が直接組織を確認して取り除く「目視を伴う術式」を選択することが、重要なポイントとなります。

また、万が一臭いが気になり始めた場合でも、組織が安定するのを待ってから適切な修正手術や、ボトックスなどの代替案を検討することで、状態を改善へと導くことが可能です。

再発が心配で手術に踏み切れない方や、すでに「再発したかもしれない」とお悩みの方は、一人で抱え込まずに専門的な知識を持つ医師の診察を仰いでください。

池袋駅徒歩1分の当院では、現状の正確な診断を行い、医学的に妥当な解決策を提示いたします。

まずはカウンセリングを通じて、ご自身の状態に合った治療の形を一緒に見つけていきましょう。

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院長プロフィール
春日 航
経歴
  • 日本大学医学部卒業
  • 信州大学医学部附属病院形成外科 病棟医長
  • その後形成外科クリニック、美容外科クリニックを経て、形成外科と美容外科のクリニック池袋院長就任

資格

  • 日本形成外科学会(JSPRS) 認定形成外科専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • ジュビダームビスタ® 認定資格医

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