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脇にできたしこりは粉瘤?特徴と治療法を解説

[2025.05.28]

脇の下にできたしこりの多くは、粉瘤(ふんりゅう)・脂肪腫・リンパ節の腫れといった良性の変化で、過度に心配する必要はありません。

ただし、急に大きくなる、硬くて動かない、発熱や体重減少を伴うといった場合は、悪性の病気が隠れている可能性もあるため早めの受診が必要です。

この記事では、脇の下のしこりの見分け方と受診の目安、しこりの原因として多い粉瘤の治療法を形成外科専門医が解説します。

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脇の下にしこりができる主な原因

脇の下のしこりと一口にいっても、原因はひとつではありません。

皮膚のすぐ下にできるもの、脂肪の層にできるもの、リンパ節が腫れているものなど、できる深さや性質によって考えられる病気が異なります。ここでは、脇の下のしこりの原因として代表的なものを紹介します。

粉瘤(アテローム)

粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に本来はがれ落ちるはずの角質や皮脂がたまってしまう良性のできものです。

脇の下のしこりの中でも特に頻度が高く、中央に黒い点のような開口部が見えることがあるのが特徴です。

強く押すと、独特の臭いを伴うドロッとした内容物が出てくることもあります。

粉瘤は自然に消えることはなく、放置すると少しずつ大きくなったり、細菌感染を起こして急に腫れて痛む「炎症性粉瘤」に進行したりすることがあります。

稗粒腫や脂肪腫との見分け方は「稗粒腫・脂肪腫・粉瘤の違いや見分け方を医師が詳しく解説!」をご覧ください。

稗粒腫・脂肪腫・粉瘤の違いや見分け方を医師が詳しく解説!

脂肪腫

脂肪腫は、皮膚より深い層で脂肪細胞が増殖してできる良性の腫瘍です。

粉瘤よりも柔らかく、触るとゴムのような弾力があり、表面の皮膚に開口部(黒い点)がない点が粉瘤との違いです。

痛みを伴わずゆっくり大きくなることが多く、臭いを伴うこともほとんどありません。

小さいものは経過観察も可能ですが、大きくなると摘出の際の傷も大きくなるため、気になる場合は早めの相談をおすすめします。

リンパ節の腫れ

脇の下にはリンパ節が集まっており、風邪や皮膚の傷、腕や手の感染症などに反応して一時的に腫れることがあります。

感染に伴うリンパ節の腫れは、押すと痛みがあり、原因となった感染が治まるとともに小さくなっていくのが一般的です。

数週間たっても小さくならない、むしろ大きくなっていくという場合は、後述する悪性の病気との鑑別が必要になります。

副乳

副乳は、通常の乳房以外の場所に乳腺組織が残っているもので、脇の下にできることが多いといわれています。

生まれつきのもので病気ではなく、基本的に治療は不要です。

女性の場合、生理前や妊娠・授乳期にホルモンの影響で張りや痛みを感じ、しこりのように触れることがあります。

周期的に大きさが変わる脇のふくらみは、副乳の可能性を考えてよいでしょう。

毛嚢炎・化膿性汗腺炎

脇の下は毛穴と汗腺が多く、カミソリや毛抜きによる自己処理で細菌が入ると、毛穴を中心に赤く腫れる毛嚢炎(もうのうえん)を起こすことがあります。

また、脇や太ももの付け根などに痛みを伴うしこりや膿の出るトンネル状の病変が繰り返しできる化膿性汗腺炎という病気もあります。

しこりが繰り返しできて破れる、複数個所にできるという場合は、この病気の可能性も考えて医療機関を受診してください。

悪性腫瘍の可能性(悪性リンパ腫・乳がんのリンパ節転移など)

頻度は高くありませんが、脇の下のしこりには悪性リンパ腫や、乳がんが脇のリンパ節に転移したものが含まれることがあります。

悪性が疑われるしこりは、石のように硬い、押しても動かない、痛みがないのに大きくなり続けるといった特徴があり、発熱・体重減少・寝汗などの全身症状を伴うこともあります。

特に乳がんの検診で指摘を受けたことがある方や治療中の方が脇のしこりに気づいた場合は、自己判断せず速やかに主治医や乳腺外科に相談してください。

脇のしこりが粉瘤かどうか見分けるポイント

受診の前に、ご自身のしこりの状態を観察しておくと診察がスムーズになります。

あくまで目安であり自己診断で確定はできませんが、次のような特徴があれば粉瘤の可能性が高いと考えられます。

  • しこりの中央に黒い点のような開口部がある
  • 押すと臭いのある白いドロッとした内容物が出たことがある
  • 数か月〜数年かけて少しずつ大きくなっている
  • 皮膚と一緒に動く、比較的浅い場所にある

一方、皮膚の開口部がなく深い場所で柔らかく触れるものは脂肪腫、押すと痛みがあり短期間で腫れたものはリンパ節の腫れや炎症性の変化が考えられます。

なお、粉瘤でも黒い点がはっきり見えないケースは珍しくないため、開口部がないからといって粉瘤を否定できるわけではありません。

痛いしこりと痛くないしこりの違い

一般的に、急に赤く腫れてズキズキと痛むしこりは、炎症や感染が起きているサインであることが多く、粉瘤が化膿した状態や化膿性汗腺炎などで見られます。

こうした痛みを伴うしこりは、炎症が広がる前に早めに受診したほうがよい状態です。

反対に、痛みがなくゆっくり大きくなるしこりは、炎症のない粉瘤や脂肪腫であることが多いものの、痛くないからといって必ずしも安心とは限りません。

硬くて動きにくい、急に大きくなった、表面がでこぼこしているといったしこりは、痛みがなくても一度は医師に診てもらうことがすすめられます。

痛みがある・なしのどちらであっても、気になる状態が続くなら受診の検討材料になると考えておくとよいでしょう。

脇の下に粉瘤ができやすい理由

脇の下は、毛穴や汗腺が密集しているうえ、腕の動きによる摩擦が常に加わる場所です。

さらに汗がこもって高温多湿になりやすく、毛の自己処理による細かい傷もできやすいため、毛穴の出口がふさがれて粉瘤の袋ができるきっかけが多い部位といえます。

また、脇はアポクリン汗腺が多い部位でもあり、粉瘤が化膿すると強い臭いを伴いやすいのも特徴です。

ワキガ(腋臭症)の臭いと粉瘤の臭いは原因が異なるため、臭いが気になる場合はどちらが原因かを診察で確認することが大切です。

脇の粉瘤が炎症・化膿したときの症状と注意点

粉瘤に細菌感染が起こると、しこりの周囲が赤く腫れ、熱をもってズキズキと痛むようになります。

進行すると内部に膿がたまり、自然に破れて膿と強い臭いのある内容物が出てくることもあります。

このとき注意していただきたいのが、自分で潰したり針で刺したりしないことです。無理に押し出すと炎症が周囲に広がり、痛みが強くなるだけでなく、治ったあとの傷跡が目立ちやすくなります。

また、袋が皮膚の下で破れて周囲の組織と癒着すると、後日の摘出手術が難しくなることもあります。炎症を起こした粉瘤は、切開して膿を出す処置(切開排膿)や抗菌薬で炎症を鎮めたうえで、落ち着いてから袋を摘出するのが基本的な流れです。

すぐに受診したほうがよい脇のしこりの目安

次のような症状がある場合は、様子を見ずに早めに医療機関を受診してください。

まず、しこりが赤く腫れて痛む、熱をもっている場合は、炎症が進行する前に処置を受けることで悪化と傷跡の拡大を防げます。

また、硬くて動かないしこり、1か月以上かけて大きくなり続けるしこり、発熱・体重減少・寝汗を伴うしこりは、悪性の病気を除外するための診察が必要です。

痛みも変化もない小さなしこりであっても、粉瘤であれば自然に消えることはなく、小さいうちに取るほうが傷跡も小さく済みます。

「大きくなったら行こう」と考えるより、気づいた時点で一度診察を受けておくことをおすすめします。

脇のしこりは何科を受診すればよいか

脇のしこりの診察は、皮膚のできものの診断と手術を専門とする形成外科、または皮膚科が窓口になります。

粉瘤や脂肪腫と診断された場合、摘出手術まで一貫して対応できるのは形成外科です。形成外科は傷跡をできるだけきれいに治すことを専門とする診療科のため、脇のような摩擦の多い部位でも仕上がりに配慮した手術が受けられます。

乳がん検診で指摘を受けている方や乳房のしこりを伴う方は乳腺外科、発熱や全身症状を伴う場合は内科・血液内科での精査が必要になることもあり、診察の結果に応じて適切な科へご案内します。

脇の粉瘤の治療法と治療の流れ

粉瘤は薬で治すことができず、根本的に治すには袋ごと摘出する手術が必要です。

当院では診察でしこりの状態を確認したうえで、大きさや炎症の有無に応じて術式を選択します。

手術は局所麻酔による日帰り手術で、健康保険が適用されます。

くり抜き法(へそ抜き法)

くり抜き法は、専用の器具で粉瘤の開口部に小さな穴を開け、そこから内容物と袋を取り出す方法です。

切開する範囲が小さいため傷跡が目立ちにくく、縫合が不要または最小限で済むのが利点です。比較的小さく、炎症を起こしていない粉瘤に適しています。

切開法(切除縫合)

切開法は、粉瘤の上の皮膚を紡錘形に切開し、袋を確認しながら完全に摘出して縫合する方法です。

大きな粉瘤や、過去に炎症を繰り返して周囲と癒着している粉瘤では、袋の取り残しを防ぎやすいこの方法が適しています。取り残しが少ない分、再発のリスクを抑えることが期待できます。

炎症・化膿している場合の治療

すでに化膿して腫れている粉瘤は、まず切開して膿を出し、炎症を鎮めることを優先します。

炎症の最中に無理に袋を取ろうとすると、組織がもろく取り残しが起こりやすいためです。炎症が落ち着いた後、残った袋を摘出することで再発を防ぎます。

治療費用の目安

粉瘤の手術は保険診療で、費用はしこりの大きさや部位、自己負担割合によって変わります。

露出部か非露出部かでも点数が異なるため、正確な費用は診察時にご案内しています。

詳しくは「【保険適用】池袋の粉瘤治療」をご覧ください。

脇のしこり・粉瘤の治療なら形成外科と美容外科のクリニック池袋へ

当院は池袋駅から徒歩圏内にある形成外科・美容外科クリニックです。

日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診察から手術まで担当し、脇の粉瘤・脂肪腫などのしこりに対して保険適用の日帰り手術を行っています。

診察の結果、手術が必要と判断された場合は、当日の手術に対応できることもあります。

脇はワキガ(腋臭症)の保険手術にも対応している部位ですので、しこりと同時に臭いのお悩みがある方もあわせてご相談ください。

ワキガ手術については「ワキガ手術の種類を徹底比較」で詳しく解説しています。

ワキガ手術の種類を徹底比較|剪除法・超音波吸引・マイクロウェーブの違いと自分に合う選び方

よくある質問

それでは、当院に寄せられるよくある質問についてお答えします。

脇のしこりは放置しても大丈夫ですか?

リンパ節の一時的な腫れのように自然に治るものもありますが、粉瘤は放置しても消えず、徐々に大きくなったり化膿したりすることがあります。また、まれに悪性の病気が隠れていることもあるため、数週間たっても小さくならないしこりは一度診察を受けてください。

脇のしこりを自分で潰してもよいですか?

おすすめできません。内容物を押し出しても袋が残っているため再びたまり、細菌が入って化膿するリスクが高くなります。炎症を起こすと痛みが強くなるうえ、治療後の傷跡も目立ちやすくなるため、触らずに受診してください。

手術の傷跡は目立ちますか?

脇の下はもともとしわが多く、皮膚のしわに沿って切開することで傷跡は比較的目立ちにくい部位です。くり抜き法であれば切開はさらに小さくなります。傷跡の経過には個人差がありますが、形成外科専門医が仕上がりに配慮して手術を行います。

手術当日から仕事や入浴はできますか?

局所麻酔の日帰り手術のため、手術当日にお帰りいただけます。デスクワークなど軽い作業は当日から可能なことが多いですが、脇は動きの多い部位のため、激しい運動や飲酒は数日控えていただきます。シャワーは翌日から可能となるのが一般的で、詳細は術後にご案内します。

しこりがワキガと関係することはありますか?

粉瘤そのものはワキガとは別の病気ですが、脇はアポクリン汗腺が多いため、粉瘤が化膿すると強い臭いを伴うことがあります。臭いの原因がしこりなのか体質的なワキガなのかは診察で判断できますので、気になる方はご相談ください。

まとめ

脇の下のしこりの原因には、粉瘤・脂肪腫・リンパ節の腫れ・副乳などがあり、多くは良性ですが、硬くて動かない、大きくなり続ける、全身症状を伴うといった場合は悪性の除外が必要です。

しこりの中でも頻度の高い粉瘤は自然に治ることがなく、化膿する前の小さいうちに治療するほうが傷跡も小さく済みます。

脇のしこりに気づいたら自分で潰さず、形成外科へお気軽にご相談ください。

当院では保険適用の日帰り手術で、診察から治療まで形成外科専門医が対応いたします。

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院長プロフィール
春日 航
経歴
  • 日本大学医学部卒業
  • 信州大学医学部附属病院形成外科 病棟医長
  • その後形成外科クリニック、美容外科クリニックを経て、形成外科と美容外科のクリニック池袋院長就任

資格

  • 日本形成外科学会(JSPRS) 認定形成外科専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • ジュビダームビスタ® 認定資格医

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